アフリカで貧困で苦しむ人が多い理由

世界は一部の富裕層だけで多くの貧困層が得られる収入を越えるという統計が出ていて、現在もその格差が歴然としている状態が継続しています。

この格差の原因については多くの理由が存在していますが、アフリカの場合は国による技術革新の低迷と教育水準の低さと気候、そして以前から先進国に搾取され続けた結果だと言えるでしょう。

これは似たような環境にある中東と比較すれば明白ですが、地理的にも気候も似たような状態にありながら、中東では石油資源により富を得ています。

 

アフリカが石油や他の資源をうまく活用できない理由

アフリカでも石油が産出される地域がありますし、他の鉱物資源も豊富にあるのに、どうしてそれをうまく活用できないのでしょうか?
地下資源は国が自由に売買することができる決まりであり、人間にとって貴重であればあるほど高い値段が発生します。

実はこの地域には貴金属を始めとしてレアメタルと呼ばれる希少金属が多く埋設されていると考えられていて、これらを利用すれば先進的な技術がなくても国を潤うことはできます。

ところが、このような資源は採掘するのに高度な技術が必要であり、他の国に技術援助を求めるとその国にも資源を分配しなければいけません。

また、採掘には多額の費用が発生しますが、世界的に見ても国内総生産が低い地域が多いので資金の捻出が難しく、資金供与を受けると手元にはほとんど残らないという結果が待っています。

自国で採掘や販売ができれば大きな利益になるのは間違いないのですが、この資金不足は致命的な問題になっているのです。

 

国の建て直しを行いたくても人材不足により手がつけられない

また教育水準の低さは優秀な人材を作りにくいという側面があり、国の建て直しを行いたくても人材不足により手がつけられないという現状も足を引っ張っています。

国を活性化するためにはいい人材を適材適所に配置することが大前提になりますが、教育を満足に受けられない状況では牽引すべき人材がいないため、どうしても発展が難しくなってしまうというのが一般的です。

アフリカは世界的に見ても子供の割合が高くなっていますが、本来であれば学校に通って知識を習得しているはずの年代であっても、貴重な働き手として学校に行かずに働いている子供がとても多いというのが現実です。

アフリカのほとんどの地域は農業や漁業といった第一次産業が主流になっていて、機械化が進んでいないので人間が労力になって動くしかありません。

子供はこの労力を提供するために必要になり、収入が極めて低く学費が用意できないという理由もあって、学校に行けない子供が多いという理由になっています。

教育を受けられないので先進技術の習得ができず、高い技術がないので国の収益を上げることも厳しいと、完全に悪循環に入り込んでいると言えるでしょう。

 

何かしようとしても財源が無いという壁が邪魔をしている

貧困は誰でも避けない事象であるので、当然に改善を求める機運は高くなっています。

牽引する役目を担うのは政治家や官僚であり、このような人物は高い教育を受けて博学である人が多いのですが、何かしようとしても財源が無いという壁が邪魔をしてしまいます。

先進国やユニセフは多額の援助を行っていますが、その多くはインフラの整備といった国内の生活環境の向上に使われていて、そこから利益を発生するような政策までは回りません。

人間が生活するにはあらゆる設備が必要ですが、ここでは生命維持に必要な水道設備も不十分であり、物流を移動させるための道路もほとんどが悪路であり、物資の流れが悪いのも影響しています。

これは多くの民族が自分たちの文化を守るために交流を積極的に行ってこなかった弊害であり、部族間の争いからインフラ整備が進まなかったことが理由です。

この部族間の問題は今でも継続されていて、国が政策を推し進める時の足かせになっているのは間違いありません。

 

ユニセフの支援を受けて日本も戦後を乗り切った

日本も戦後には貧困に苦しんだ時代があります。

日本は幸いにもユニセフや外国から支援を受け、それによって教育を確立させて人材を育成することに成功し、以後の技術の進歩による高度経済成長を実現することができました。

日本ユニセフ協会大使を務めたアグネス・チャン – けんじろうの日記」も参考

これは国が資源の無い日本だからこそ、人材こそ唯一の宝になると考えた結果だと言えるでしょう。

アフリカの場合は地下資源は豊富にあるのにそれをうまく使いきれず、人材不足で貧困から脱却できずにいます。

人間にはあらゆる可能性があり、それを生かして少しでも多くの優秀な人材を作り上げていかなければ、今の状況を変革することはできないでしょう。

教育というのはすぐに成果が出るものではなく、そのような余裕がなければ対応できないというのも理解できますが、少しでも良くしたいと考えているのであれば、まずは予算の配分を見直していくことが求められます。

アフリカは地球の全人口の中でも子供の占める割合が一番高くなっているので、この子供たちに仕事ではなく勉学の場を与えていくことが、いずれは国そのものを豊かにする原動力になります。

シンガポールでは人材こそ国を反映する宝と信じて教育水準を高めることで、現在ではとても豊かな国に成長できました。

人を育てるのは誰でもできるものであり、理由を付けて避け続けるのは簡単ですが、未来を担う子供に豊かな将来を与えることも大切です。

最終更新日 2025年7月8日 by cwusol