ダイビングで使用されるライセンスの種類

何らかの体験会などによらずダイビングを楽しむ際にはまずライセンスを取得することになりますが、このライセンスというのは実は一種類だけではありません。

一般的に「ダイビングのライセンスを取得したい」と言う人が指すのはオープンウォーターダイバー、いわゆるCカードと呼ばれるものがそれに該当するのですが、その他にも状況に応じて必要なライセンスは変わってきます。

ではほかにどういったものがあるのかと言うと、まずCカードよりもさらに敷居が低いのがスクーバダイバーです。

これは水深12メートルよりも浅い海でダイビングを行うことが出来るもので、Cカードが18メートルまで許可されていることを考えるとかなり浅い部分でしか使えないものだと言えます。

ただその分2日間で取得することができ、Cカードを取得する際に必要な期間を短縮できるということで時間のある時に取得している人もおり、ダイビングの入門編と呼べる立ち位置にある存在です。

次にCカードよりも一つ上となるのがアドバンスドオープンウォーターダイバーです。

これは水深30メートルまで対応が可能となっており、所持しているだけでレジャーダイビングにおける基本的技能は全て把握できているということの証明になります。

これを取得しておけば国内外を問わずレジャー目的であれば問題なく対応できるため、趣味としてより深めていきたい場合には取得を目標としても良いでしょう。

そしてこのアドバンスドオープンウォーターダイバーよりもさらに上にあるのがディープダイビングスペシャリティです。

これは水深40メートル、レジャー目的ということであれば最も深い深度まで潜ることができるということを証明するライセンスになっていて、沖合でより自由に潜りたいなどの場合には取得をする価値があります。

ただ水深40メートルまで潜るというのはレジャーダイバーでもほとんど行わないことですから、よほど海が好きな人以外は特に取得する必要はないと言われることが多いです。

またこの他にはプロフェッショナルダイバーとして認定されるためのダイブマスター、スクールの講師に就くために必要とされるインストラクター、トラブル発生時の対応を学んだことを示すダイバーストレス&レスキュースペシャリティといったものもあります。

このようにライセンスとひとくちに言ってもそれぞれで目的とする内容が大きく異なるのです。

もちろんレジャーとして楽しむ分にはCカードさえあればほとんど問題は無いのですが、ボートで沖合まで移動して深くまで潜水するなどのことになるとCカードでは多少不足する部分が出てくる可能性もあります。

そのためもし沖合での潜水を楽しみたいということであれば、さらに上を取得することを目標にしても良いかもしれません。

当然ながらその分勉強が必要になるのは間違い無いのですが、目標とするには非常に良いものばかりですから、必要に応じて取得を考えてみましょう。

(参考:沖縄 ダイビングライセンス

■一人でダイビングを行えないのはどうして?

ダイビングを行う際、ほとんどのスクールやサービスでは一人で潜らせることはせず、他の参加者やインストラクターが付いた上で潜水を開始するようになっています。

そのため「一人で気ままに潜りたい」という人だと不満を感じてしまうこともあるわけですが、一人でダイビングを行えないようにしているのには理由があるのです。

ではその理由は何かと言うと、まず挙げられるのが水中という環境のリスクの大きさです。

地上の公園などにいる場合、ほとんどの人は大したリスクを負うことは無いでしょう。

精々誰かが打った野球のボールが飛んできて怪我をする、転んでけがをするといったようなことがメインであり、公園と言う環境でいきなり命を落とすようなことはほとんどあり得ないことです。

ですが地上ではなく海中の環境になった場合、人は酸素ボンベという道具が一つなくなっただけで容易く命を落とします。

また酸素ボンベに限らずともレギュレータの破損、BCDの破損、コンソールゲージの不調、こういった小さな要素が死に繋がるリスクがありますから、万が一トラブルが発生した際に一人でいるとその人は命を落としかねません。

そういったことを防ぐため、しっかりとしたライセンスが無い場合には絶対に一人で潜ってはならないと言われているわけです。

ダイビングスクールなどにとっても管轄しているところでダイバーが死んだとなれば大きなダメージを受けることになりますから、必ずバディが付けられるようになっています。

また万が一死亡事故が起きた場合にはダイビングその物に対して法的規制がかかったり、利用を断られるようなポイントが出てくる可能性もありますから、一人で潜ることにはかなりのリスクが伴い、また別のダイバーに迷惑をかけるかも知れないのだと考えなばならないでしょう。

ただ「スクールやサービスに頼らずに一人でダイビングをするなら良いのではないか」というのは事実です。

実際のところ一人で海に行って一人で潜るということを法律で禁止しているわけではありませんから、器材を全部自前で揃えることが出来るならそれは行っても良いでしょう。

ただ器材を全部集めるとなるとそれなりにお金がかかるものですから、そういった金銭負担を受け入れられるかどうかという別の問題が出てくるのは間違いありません。

加えて単独で海に潜っているということになると、場合によっては密漁者と勘違いされることもあるでしょう。

スクールやサービスが管理しているのであればそこの名前を出すことで理解してもらうこともできますが、単独でダイビングをしているダイバーというのは漁師などからすると密漁者ではないかと疑わざるを得ないようなものになります。

それで警察を呼ばれてしまうと警察に事情を話して解放してもらわなくてはならず、時間的にも気分的にも宜しくないでしょう。

こういったことを踏まえると、よほど慣れていて、必要なライセンスと器材があり、間違いなく潜って問題の無い環境があり、死んでも構わないという人でないかぎり、多少面倒であっても仲間と一緒に潜るべきだと言えます。

最終更新日 2025年7月8日 by cwusol